開業半年のスタッフ教育 #足並みを揃えるためにどうするべきか
今回は開業から半年のスタッフ教育について書いてみたいと思います。
様々な準備を経て、いよいよ待ちに待った開業!!
気持ちも高揚して、「さあ、行くぞ!」と意気揚々とスタートを切ることになります。
ところが、、、
1,2ヶ月経過した頃から気持ちが冷静になり、今まで見えなかったもの(部分)が色々と見えてきます。
開業までの高揚感はある程度収まり、ようやく自分のお城であると意識できる頃ですね。
そこで何が起こるか?
答えは、
”スタッフそれぞれの色んな面が見えてくる”です。
開業前1ヶ月からスタッフを雇用し、最初は無意識に(人によっては意図的に)良い点ばかりを拾おうと、教育期間を共に過ごしていくことになります。ところが、開業して実際に患者さんが入ってくると、様々な問題点が浮かび上がってきます。
先生は良い治療を提供したい!
診療スタッフも勿論、良い治療を提供したい!
受付も勿論、良い対応でファン化を図りたい!
という意識も持ってスタートするわけです。
しかし、最初の教育期間に医院の理念・ビジョン・働き方・考え方・テクニカルレベル・連携基準・未来予想図等をしっかり落とし込んでいないとどうなるか?
スタッフがどう動けば正解なのかわからず、自分勝手な行動を取るようになっていきます。
頭にきますよね?
ですが、ちょっと待ってくださいね。
スタッフが自分勝手な行動を取るのはスタッフのせいでしょうか?
違いますよね? 先生の教育が足りていないんです。
「自分で考えて行動しなさい。」
良い言葉です。
こちらの指針は落とし込んでいるのだから、どうすれば正解が自分で考えてね♩
表向きは優しい言葉ですね。(本心はわかりませんが..)
ですが、これが一番良くない言葉の掛け方じゃないかなと思います。
開業して間もないクリニックですので、先生ご自身も未来はしっかり見えてないはずです。
それを、「自分で考えてね♩」とスタッフに委ねるのは可哀想じゃないでしょうか?
先生(開業主)ですら先が見えていないのに、スタッフに先が見えるわけはありません。
重要なのは、
1、一人ひとりに求めているものを明確化すること
2、テクニカルの成長レベル(基準)を明確化すること
3、チームとしての役割を明確化すること
要は、それぞれに落とし込みをしなければ、チームとして機能しないということです。
広い言葉で、当院の理念は〜〜〜で、ビジョンは〜〜〜で、そういうクリニックをみんなで創ろう!
これでは、気持ちや想いは伝わっても形は何一つ出来ていなんです。
よくある”伝えたけど、伝わっていない”というやつです。
歯科医療の説明でも、同様のことがあるのではないでしょうか?
当院の理念は〜〜〜で、ビジョンは〜〜〜で、そういうクリニックをみんなで創ろう!
なので、Aさんは〜〜〜、Bさんは〜〜〜、Cさんは〜〜〜。
全体では、これとこれを約束ごとにするよ〜!
Aさんは、3ヶ月でここまで成長しよう。
Bさんは、半年でここまで成長しよう。
Cさんは、3ヶ月ごとにレベルチェックして1年後にはここまで成長しよう。
期待すること/求めるスキル を明確化してあげること。
オープニングスタッフは、先生の同志です。
中には未経験者もいるでしょう。
未経験であることで負い目を感じながらも、一生懸命仕事にあたることでしょう。
ですが、未経験ですので”他医院のこと、スタンダードな部分”は絶対にわかりません。
それでも自分なりに一生懸命働くでしょう。
院長が、引っ張ってあげないといけません。
それも精神論では意味はなく、自分で考えても意味はなく、指標を表さなくては意味をなさないんですね。
経験者も同様です。
今までと違う環境で働くことになるので、不安でいっぱいなはずです。
先生が求めるスキルや仕事は何なのか、しっかりと落とし込んであげることが大切です。
経験が浅いスタッフさんに対しては、教育スケジュールを作ってそれぞれのゴールを決める。
誘導してあげることで成長に繋がります。
「自分で考えろ!」では、スタッフは路頭に迷います。
型にはめるということではありません。
それぞれに何を求め、どこまで成長してもらいたくて、どういう仕事をして欲しいか。
噛み砕いて説明してあげることが重要です。
開業から半年ぐらいは特に、点数をあげる・人数を見ることに重きを置きすぎて、
スタッフさんとのミーティングや個人との話し合いが疎かになることが多いです。
※半年間は通帳からお金がどんどん減りますので売り上げ重視になる気持ちはわかります。
ですが、この半年こそ未来に向けての礎となる期間ですので、時間をしっかり割いて前向きな話し合いをするべきです。
ご縁があり、面接をしっかりして、先生がご自身で選んだスタッフさんです。
愛を持って接し、医院のプラスになるよう誘導してあげる教育の義務があるのではないでしょうか?
「たかが数値。されど数値。」
医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢