1回あたり点数と月回数の分析 #根拠数値として活用する
今回は、1回あたり診療点数と月回数についてお話していきたいと思います。
1回あたり診療点数とは?
患者さんが来院して治療を1回した際の点数Ave,です。
計算式は、保険点数/総来院数 となります。
先生方は、レセ平均点を気にすることが多いかと思います。
理由は大きく2つ考えられます。
1、指導に当たる点数かどうか確認したい
2、平均点が他の医院と比較してどうなのか知りたい
大きくは、上記の理由でレセ平均点を気にされていることと思います。
「1回あたり診療点数は何点ですか?」
この質問にすぐにズバッと答えられる先生は、ほぼいらっしゃらないかと思います。
レセ平均点は、ほとんどの先生が答えることができます。
理由としては、知らないことでのデメリットがない(広い意味では)ことが挙げられます。
では、この1回あたり診療点数はどういった意味で重要なのか?
答えは何通りかあるのですが、ここでお伝えしたいのは、
「目標を立てる時の根拠数値となる」
です。
歯科医院は医療を提供する事業を行なっています。
院長を社長としてスタッフという社員がいて事業を行なっているわけです。
事業を行う以上は、目標値を立てることになります。
【レセ枚・総来院数・保険点数】といった3要素が大きいところになります。
レセ枚は母数です。(この枚数が伸びていると将来の経営的には○です)
総来院数は生産性です。(スタッフの数やユニットの数、処置時間等に左右されます)
保険点数は母数と生産性の結果です。(レセ枚*平均点=保険点数)
ここでまずは平均点という話になります。
平均点の計算式は、保険点数/レセ枚となります。
A,うちの医院は、1,450点だよ〜
→お〜、なかなか点数取れているね〜!それだったらレセ枚なくても大丈夫だね!
B,うちの医院は、1,100点だよ〜
→平均より低いんじゃないの?取れる点数しっかり取ってる?
C,うちの医院は、1,650点だよ〜
→指導にあたるからもう少し下げたいんだけどね... 点数を取らずに再診で薄めるか...
先生たちの集まりでこんな会話になるわけですね。
例えば上記のB医院のケース
行なった治療の算定は取れる点数はちゃんと取っている。だけど平均点が伸びない...
これをどう見ますか?
問題は月回数にあり!と推測することができます。
・点数はちゃんと取れている
・レセ枚が医院規模を超えており、次の予約がなかなか取れない
・よって、1人の月回数が少なくなり、平均点が低くなってしまう。
結論>
点数算定が問題ではなくて、月回数に問題があり
改善点>
ユニットの増設・マンパワーの増員・処置時間の改善等を行い、生産性を上げる
となります。
月回数が増加するとレセ平均点は上昇するので、解決策となります。
次に、上記のC医院のケース
考えられるのはどんなことがあるでしょう。
・月回数が逆に多い
・レセ枚(母数)が少なく、同じ患者が月に何回も通えている
・メンテの患者が少ない
・補綴治療が多い
上記のようなことが推測されます。
様々なパターンがありますが、解釈的には医院規模よりも母数が少ない医院ということになります。
この場合は、分析からでた異常値項目を改善することにより平均点を下げることができます。
話を戻します。
1回あたり診療点数とは?
患者さんが来院して治療を1回した際の点数Ave,です。
計算式は、保険点数/総来院数 となります。
750点の場合:2回来院すれば1,500点
500点の場合:3回来院すれば1,500点
単純計算では、上記のような形となります。
目標数値としてどう活用するか?
例えば、500,000点/月を目指したい場合
※弊社のお客様の中央値は750点程度となっています。
500,000点/750点=666.6人/月
月20日診療であれば、666.6人/20日=1日 33.3人となります。
自院の1回あたり点数は何点でしょうか?
900点の場合
500,000点/900点=555.5人/月
月20日診療であれば、555.5人/20日=1日 27.8人/日となります。
550点の場合
500,000点/550点=909.1人/月
月20日診療であれば、909.1人/20日=1日 45.5人/日となります。
<往診をある程度やっている場合>
気をつけるべきは、外来と往診を分けて考えることが重要です。
レセデータから単純に計算して、1回あたり点数を出した。
→880点だった
外来と往診とで分けて試算した。
→外来 780点 往診 980点 実際は左記の数値だった
このパターンで上の880点から目標を立てると...
外来総来院数の目標値を立てる時に実際はエラー値となります。
外来と往診をわけること(780点)でエラーを防ぎ、正確な数値根拠からの戦略策定が可能になります。
今回は、1回あたり診療点数と月回数を軸に書いてきましたが、
様々な分析の元になる数値であることに間違いはありません。
レセ平均点だけに引っ張られずに、1回あたり診療点数や月回数にも目を向けた分析を行い、
医院としての改善点をあぶり出すことで、さらに安定した経営と医療の提供が出来るのではないでしょうか?
「たかが数値。されど数値。」
医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢