キャンセルの定義
歯科医院を経営していく上で、重要な項目である「キャンセル」について書いていきたいと思います。
1回では話尽くせないので、数回に分けて書いていきます。
「そもそも、キャンセルって?」という話から始めたいと思います。
前日のアポイントを起点として、当日に穴が開いたもの。
これがキャンセルですよね。
経営面でのダメージは勿論のことですが、当日の診療においてイレギュラーが発生するわけなので、生産性にも影響を及ぼすのがキャンセルの悪いところです。
<キャンセル率の求め方>
例えば、以下の問題に答えられますか?
基本的に予約制、急患の受け入れがある医院様として考えてみましょう。
Q1,今日の来院数が50人。キャンセルが5人。
キャンセル率は何パーセントでしょうか?
A,キャンセル率は出せません。
Q2,今日の来院数が50人。そのうち急患が10人。キャンセルが5人。
A,キャンセル率を出せます。
当日の来院数とキャンセル数だけがわかる場合は、キャンセル率は出せないんですね。
理由は、アポイントの状況がわからないからです。
Q1の例でいうと、 来院-50人 キャンセル-5人ですよね。
よくある間違いとして、以下の計算式が挙げられると思います。
5÷50=10%
5÷55=9.1%
どっちが正解!? と思われた方はしっかりと読み進めて頂ければと思います。
上記のものは形上は方程式にはなっていますが、本質とは全くリンクしない間違った計算です。
Q2の例だと、どうでしょうか?
来院数−50人 (うち急患-10人) キャンセル-5人
5÷(50-10)=12.5%
正解!!!
っぽいですが、、、 不正解ですね。
答えは、
5÷(50-10+5)=11.1%
解くと、以下となります。
当日の急患人数=10人
*イレギュラーな流入ということになります。
総来院数が50人なので、元々のアポイントは40人
ということは、前日基準のアポイント数=45人(来院したアポ40人+キャンセルした5人)
*本来45人のアポが入っていたという事になります。
答えの方程式の内訳はこうです。
キャンセルした5人÷(総来院数50人-急患10人+キャンセルした5人)=11.1%
これが、キャンセル率の出し方となります。
キャンセル率というと、来院とキャンセルという判断で計算してるケースも多く見受けられます。
クリニックによって、出し方に差異があり、それを元に改善が出来るのであればそれも良いでしょう。
ですが、本来キャンセル率というのは、アポイントを入れた方がどれぐらい来院しなかったか!
というのを数値化するものですので、この計算式を使用して正確な数値把握をして欲しいと思います。
キャンセル率は10%を超えないこと!
経営本等を見ると、よくこの数値が挙げているのが見られます。
10%を超えないことは、医院経営を考えると当然の話です。
経営安全率が安全圏外のクリニックであれば、赤字になる可能性が非常に高くなりますからね。
ですが、この10%という数値は一般的な数値であり、クリニック毎に適正なキャンセル率は差異があります。
次回は、キャンセル率の考え方について書いてみたいと思いますので、宜しければご覧ください。
「たかが数値。されど数値。」
医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢