内覧会で得られるもの #内覧会開催の本当の価値を探る
今回は内覧会について書きたいと思います。
昨年”内覧会の成功とは”というタイトルでコラムを配信しておりますが、今回はもう少し掘り下げてお話してみたいと思います。
得られるものとは?
抽象的な質問になりますが、内覧会を開催することで得たいものはなんですか?
1、患者予備軍
2、チームワーク
3、理念・ベクトル共有
ほとんどの先生は、患者予備軍とお答えになるのではないでしょうか?
これから開院するにあたり、必ず必要なものが”患者”さまというのは間違いないと思います。
患者が来ないと事業にならない、至極当然のことですよね。
ただ、この患者予備軍だけに囚われるのはNGと認識して頂きたいと思います。
そこだけに意識が集中してしまうと、アポ獲得率だけが内覧会の成功指標となってしまいます。
スタッフさんがいくら頑張って来場者と接しても、アポが取れなければ失敗でしょうか?
来場された方々に満足と感動・安心感を与えれていれば、100点ではないでしょうか?
完璧な接客を行なったとしても、当日アポを取らない方はかなりの数でいらっしゃいます。
アポイント獲得の部分だけで評価してしまうと、スタッフさんのモチベーションは下がります。
一番重要なのは、スタッフが医院に定着してくれること。
内覧会を通して、これから患者さまになるであろう方々と接することで、自分の中で気づきや意識の高まりを感じるものです。医院としての理念や診療スタイルについても、来場者への応対を重ねていきながら、自分の中への落とし込みがされていきます。
スタッフを雇用して最初の数日で、院長の思いや理念・診療スタイルなどをスタッフさんに落とし込む作業をされると思います。スタッフさんはその時間の中で、これから働く医院(院長)の考え方ややり方・在り方をインプットしていきます。
内覧会は、考え方ややり方・在り方をアウトプットする機会となります。
人と話すことで、医院の方針や診療スタイルを体に頭に染み込ませることが出来るんですね。
しっかりと自分の中で咀嚼できていれば、内覧会での応対は自信に溢れたものとなり、来場された方へのご説明や気遣いも問題なくこなせるということになります。
評価をアポ獲得率(数)だけにしないこと!
これが内覧会を行う際に重要なポイントだと思っています。
そもそも内覧会に訪れる方々は、デンタルIQが低い方は少ないと思って頂くのが宜しいです。
歯医者に興味がなければ、自分の口腔内に興味がなければ、歯科医院の内覧会に行ってみようとは思いません。
少なからず何か今困っていることがある方が内覧会に出向いて、自分の目でどういう歯科医院かを見極める。
そういう場所になっているということを共有しましょう。
現に、直近に行なった内覧会のアンケートでは、来場者250名の55%の方が、
「かかりつけ医がある」とお答えになっています。
素晴らしいことですよね! 自分が通う歯科医院がしっかり決まっているのですから。
しかし、ちょっと待ってくださいね。
かかりつけ医が居ても、内覧会にいらっしゃるということは??
現在、ご自身が行かれてる歯科医院に「本当の意味で満足をしていない」
と、言えるのではないでしょうか?
内覧会を見てあわよくば、
「かかりつけ医を変更しよう!」ということではないでしょうか?
考え方によっては、非常に恐ろしいことです。
自院が開院してスタートしても、同様なことが起こりうるということ。
これもスタッフさんと共有しておくべき重要事項ではないかなと思います。
医院の立ち上げ時には、アポイントは多いに越したことはありません。
ただそれは、地域性や近隣歯科医院の数、立地に左右されるものでもあります。
立ち上げてしまえば、多少立地が悪くても口コミの派生があれば患者は増加します。
逆に立ち上げが非常に良くても、口コミの派生が少なく満足度が低ければ、仮に立地が最高だとしても、皆さまに支持される歯科医院とはなり得ません。
院長はじめスタッフ全員が、同じベクトルの元、適切な医療と適切な接遇が出来ていれば、皆さまに支持される歯科医院になります。(過度な接遇ではなく気配り・心配りが重要です)
内覧会は、スタッフ全員の意識/ベクトルを合わせるためのもの。
弊社が以前からそういう考えで、内覧会のサポートをさせて頂いているのは、内覧会だけで成功・失敗というのはナンセンスという考えと、開院から順調に口コミの派生が起こるために整えることが一番の近道であるとの考え方からです。
開院前告知も重要です。
◯内覧会の日程
◯開院日
◯診療時間
◯得意な治療
◯先生やスタッフの人柄
これらをある程度早い段階から世に出すことで、期待感を持ってもらうことが出来ます。
アポイントの考え方も、3つにわけること。
1、内覧会前のアポイント数
2、内覧会開催でのアポイント数
3、内覧会後のアポイント数
上記で一番数が増加するのは、2の内覧会開催日のアポイントとなります。
その次は、3の内覧会後のアポイント数となります。
3については、内覧会に行って検討した結果通いたいというパターンが一定数あることと、広告戦略(落成記念広告やHP)で検討して、通いたいケースというのがあります。
1については、かなり前もって告知を行うことである程度の数を確保することが可能となります。
以上、今回は少し掘り下げて内覧会について書かせて頂きました。
以下の過去コラムと併せてご一読頂ければと思います。
内覧会の成功とは #開催の意味/意義を知ろう 2022.5.30コラム
結論)
1、当日の来場者数やアポイント数だけを成功指標としない
2、チームとしての意識/ベクトルを合わせる場とすることで未来が開ける
3、真のかかりつけ医を目指すことで、浮気患者を出さない
上記3つが大きなポイントになります。
スタッフさんを含めて全員で意識して、内覧会に臨んで頂ければと思います。
「たかが数値。されど数値。」
医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢