コラムColumn

2023.08.31コンサルティング

歯科医師の生産性  #スタッフだけに生産性を求めていませんか?

前回のコラムで歯科衛生士の適正売上額とスタッフ生産性について書きました。
そのコラムの後半で触れていますが、今日は歯科医師の生産性について書いていきたいと思います。

歯科医師の生産性?
よく耳にするのは、スタッフ生産性だと思います。
スタッフ生産性が高い医院と低い医院で、売上(粗利)に大きな違いが出るのは言うまでもないと思います。

では歯科医師の生産性って何?
ということなんですが、単純に技術者としてのレベル/スピードとなります。
スピードというと、適当な診療と捉える方もいらっしゃるとは思いますが、そうではありません。

例えば、複数台回し
これができるDrと出来ないDrがいます。
出来ないDrのケースで考えられる要因はなんでしょうか?

1、当日アポの精査をしていない
2、該当部位に対する見立てが遅い/ずれている
3、そもそもテクニカルスピードがない
4、事前準備が足りずに要領を得ない
5、スタッフとの連携が苦手で回せない


ざっと考えるだけでもこれぐらいの項目が要因として上がってきます。


ではそもそも何故複数台回しが必要なのか?
医院の診療スタイルにもよりますが、保険診療がベースの一般的な医院の例として考えていきたいと思います。

1日の稼働時間が7時間とします。
45分枠で揃えたら、9.33人/台 見れる計算になります。
これは歯科医師の治療が1台の場合です。

では同様に稼働時間が7時間とします。
45分枠で揃え、2列を行ったり来たりできたら?
840分(7×60分×2台)÷45分=18.66人/2台 診れることになります。

※主訴の段階でクリーニング希望や検診希望というかたもいらっしゃいますが、
今回は主訴は治療として、そこは無視して考えます。

1台で1日の治療枠-9人
2台で1日の治療枠-18人

当たり前ですが、倍の数値になるわけです。

1ヶ月の診療日数は現在約20日ですので、
1台:9人×20日=180人
2台:18人×20日=360人
となります。

診療点数をかけると
180人×850点=153,000点
360人×850点=306,000点

点数換算すると、大きな違いであることがわかるかと思います。
ただ、ここでお伝えしたいのは売上面だけではありません。

よくこういう言葉を聞くことがあります。
「うちの衛生士、暇そうにしている時間が多いんですよね,,,」
「もっと働いてくれればいいんですけど...」


???

ちょっとお待ちください。
これって、暇にしている原因は歯科衛生士ではありませんよね?

治療中のP処置や治療のフィールドを終えてメンテのフィールドに入ってからが活躍できる場となります。
暇そうにしている? 
ということは、雇用している歯科衛生士の人数とメンテへの流入の部分に問題がある可能性がありますよね?

※メンテは流入と定着と切り分けて考える必要があるのですが、今回のコラムでは流入にのみフォーカスを当てて書き進めていきます。

先生のフィールドを終えた患者さんがメンテのフィールドに進んでいく。
先生のフィールドで満足しなかった患者さんはメンテのフィールドには進まない。
これは、いろんな医院さんを見て強く思うことです。
要は、メンテINしない。ということです。


今回の本質は、またそこだけではなく..
治療スピードを上げてメンテへの流入を確実に増やすのが、歯科医師の役目であるということです。
1台しか見れません。では、メンテへ流す速度は圧倒的に鈍化します。
3台は余裕で見れます。 そうなると、メンテへ流す速度は格段と上がります。

それが出来るかどうかが、歯科医師の生産性の肝であると感じます。
勿論、医療ですので、逸脱してDAに口腔内を触らせる等はNGです。
それをやって数を見れるというのは、全く別の話になるので..

全うな医療提供を行う中で、速度を上げることが重要。
前日に翌日アポを見ずにその場しのぎで当日の診療に当たっているようでは、それは速度も上がりません。
速度だけではなく、患者満足度も上がらないと考えて間違いないと思います。
周到な準備をして、当日の患者さんをお迎えする。
それが出来れば、テクニカルの部分も関係しますが、速度は上がっていくものです。

歯科医療はチーム医療。
色んな捉え方が出来ると思います。
歯科医師のフィールドからDHのフィールドへ
そこのバトンを渡すこともチーム医療です。

医院の成長度合いは、開業からの角度は様々です。
ただ、4.5年で1億を超えていく歯科医院に共通しているのは、歯科医師の生産性が高いということ。
当たり前ですよね。
ケアのフィールドにバトンを渡す時間が短くなるわけなので。

1億の年商が凄いのではありません。
歯科医師生産性とスタッフ生産性のバランスが確保されれば1億はいくものです。
少しそれますが、材料費の高騰、人件費の高騰、余りあり雇用...
これから歯科医院の経費は、変動費も固定費も上がっていくと推測されます。

その時代の変化に対応できる歯科医院だけが残っていく。
業態としてはこれからの未来は明るいのは間違いないのですが、より中身が問われる時代になります。
全ての人間が生産性を意識して同じベクトルでいければ、売上は自ずと付いてくるものです。

ということで、まとめます。
スタッフ生産性は、歯科医師の生産性が大きく関与するもの。
暇な歯科衛生士がいたら、メンテのフィールドへ移行している人数がどれぐらいいるのか?
数値を確認してみることをお勧めします。

スタッフ数は余りあり雇用が大前提。
暇にしてるように見えても、そこは多少は目を瞑らないといけないかもしれません。
一番経営に打撃を与えるのは、余りなし雇用で急な休みにより、列を潰すことです。
それが月に何回も続いたら、売上は大きく減少し院内もギクシャクすることでしょう。

あとは、先生が回せるスキルと仕組みを身につけていれば、多少のイレギュラーにもある程度対応が可能です。

兎にも角にも、歯科医師と歯科衛生士の生産性は両輪一体。

・メンテが増えない。
・数を見ることが出来ない。
・スタッフが思うように動いてくれない。


上記のような状態に陥っている先生がもしいらっしゃれば、
今一度、ご自身の歯科医師レベルを考えてみてもも良いのではないでしょうか?


スタッフ生産性の過去コラムはこちらから



「たかが数値。されど数値。」

医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢

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