武器を持たない開業 #丸腰で戦場に出陣しますか?
今回は、現在ご開業をお考えの先生に向けて発信したいと思います。
最初に質問です。
Q,先生は武器として何をお持ちですか?
じっくり考えてみてください。
武器が思い浮かばない…
という場合は、開業は一旦保留にした方が賢明かもしれません。
何故か?
答えはシンプルです。
戦えないから。ですね。
全国の歯科医院数は減少傾向に突入しました。
ローカル地域では無歯科医の地域も出てきています。
また、今後そういった地域は確実に増加していくものと考えられます。
歯科の開業事情を考えると、状況は追い風の状態にあります。
では、何故武器が必要か?
歯科医院を選ぶ側(患者予備軍)の意識と知識が圧倒的に上昇しているから。
です。
この時代、口コミはもちろん大前提ですが、それにプラスしてHP・SNS等を活用して検索する能力は、昔と比べ物にならないほどUPしています。要は選ばれる医院は限られる時代になったということです。業界的にはブルーオーシャンでも二極化はどんどん加速しているのが今であり、未来です。
先生が開業して選ばれる医院になるには、どうしたらいいでしょうか?
何かしらの武器が必要になります。
武器にはいくつか種類があります。
○歯科医師としてのテクニカルスキル
○患者さんに対する真摯な医療提供の気持ち
○雇用するスタッフに感謝する気持ち
なんだ…
治療の武器じゃないじゃないか…
と思った先生。
ちょっとお待ちいただき読み進めて頂ければと思います。
今まで開業に関わらせて頂いてきた経験上、一番重要なのは人間的資質だと感じています。
人間的資質というのは、抽象的な言い方になりますが、要は人としてどうか!
歯科医師である前に、経営者である前に、人として合格点にあるか。
言葉としては非常にキツくなりますが、人としての資質が合格点でない場合、歯科医院を開業してもいつも何かしらの壁にぶつかり苦しむことになるでしょう。
資質は、改善不可能なもの。
改善可能なものであればテコ入れでどうにかなりますが、人の資質だけはどうにも改善は難しいものです。ご自身が人としてどうかは、ご自身の判断では難しいものだと思います。 他者が見てこの人は,,, というケースになるわけですが。。
まずはご自身で、開業に値する資質があるか客観的に見てほしいと思います。
この段階で、自分はちょっと難しいかも..と言う場合は、どこが足りないのか自己分析し、改善可能な部分なのか根本的な部分なのか、見定めてほしいと思います。
武器といえば、治療について考えた先生。
それはそれで勿論、正解ではあります。
○インプラント治療が得意
○ワイヤー矯正のフライングDrを呼べる伝手がある
○マウスピース矯正が得意
○外科が得意
○審美的な補綴が得意
治療の観点から言えば、武器として非常に強いものをお持ちだと思います。
ただ、その武器を有効的に使えるかどうかは、その他の部分に左右されます。
その他の部分とは、先に記した医療提供者としての気持ちとスタッフに対する気持ちです。
いくらテクニカルに長けていて経験値があり素晴らしい治療を提供できても、上の2つがダメならば、武器はもっているだけで使うことはありません。武器ではなく、ただ重いだけの道具となってしまいます。
歯科医院を経営するにあたり、一番重要なのは資質であると思っています。
どんなに最新の設備を揃えても、どんなにテクニカルに優れていても、永続的に繁栄していく医院にはなりえません。
必要最低限のテクニカルは当たり前に必要なわけですが、一番重要なのは、
○関わる全ての人達に感謝し、愛情を与えること。
○医療提供者としての本質を見失わないこと。
だと思います。
テクニカルが足りなければ、後から必死に勉強すればなんとかなります。
ですが、資質が足りない場合は、勉強やセミナーでどうにかなるものではありません。
たくさんの武器を持って戦場に一人で行ったら勝てますか?
答えはNOではないでしょうか?
それぞれが一つの武器を持ちチームで戦場に出た方が勝ち目は格段に上がります。結果的には総合力が強いチームが勝つということですね。
今回お伝えしたいのは、テクニカルの部分は置いておき、資質の部分なわけですが、歯科医療を提供していく上で必要なものはなにか?
○共に働くスタッフ
○通ってくれる患者さま
極端な話ですが、この2つがなければ歯科医療の提供はできないわけです。
そこに真摯に接することが医院経営の安定の礎となり、その上に戦略が乗っかると理解してほしいと思います。
歯科医師として必要な治療スキルは当たり前に磨き続けることが必要。
ただ、それ以上に重要なのが資質であると思います。
治療を武器にすることで、一時的に大きな売り上げを作ることはできるでしょう。
ですが、開業から何十年と安定して経営を継続していくことは難しいと言わざるを得ません。
資質があって、その上に治療スキルが乗っかるともはや無敵、最強です。
今現在ご開業をお考えの先生。
ご自身を一度第三者的に見て、開業に踏み出す準備ができているか、しっかり見つめ直してみるのも宜しいのではないかと思います。
「たかが数値。されど数値。」
医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢