日本デンタルショー2022 #潮目の変化
今回は、今月の4.5.6日に行われた日本デンタルショーについて書いていきたいと思います。
新型コロナの関係でデンタルショーの開催も延期となっておりましたが、
2022年春にようやく開催された日本デンタルショーに行ってきました。
来場者数は、4日(金)2.677名 5日(土)3,045名 6日(日)5,299名
3日間合計 11.021名ということでした。
肌感覚的にも以前に比べて来場者数が少ない感じはあったのですが、やはりまだまだ影響は大きいようですね。
今回、会場に足を運んだ目的はただ1つ。
「先生方(歯科医院)が今、何に興味を持っているのか」
を把握するためです。
新型コロナの前と現在とでは、日常の生活にも大きな変化がありました。
働き方の変化、趣味の変化、ライフスタイル全体にも大きな変化があった方も多いんではないでしょうか?
歯科業界全体としては、”大きなダメージを受けた”という感覚は個人的にはありません。
それは恐らく、普段お付き合いさせて頂いている医院さまの業績が下がってないことからそう感じるのだと思います。普段から医療の質を担保し、世の中の流れや動向に対してフレキシブルに考え実行できる医院は強いということかと思います。
ただ、ディーラーさんやメーカーさん、各方面からお話しをお聞きすると、
”非常に大きなダメージを受けた”歯科医院さんもかなりの数あるようです。
歯科医院をカテゴリ分けすると、大きく以下のように分けられると思います。
1、皆保険の元での保険診療メインの一般歯科医院
2、保険診療を軸として自費シェアも多く持つ歯科医院
3、保険に頼らない自費メインの歯科医院
4、矯正専門の歯科医院
5、小児メインの歯科医院
6、訪問診療メインの歯科医院
上記の6つのカテゴリーで考えてみます。
Q,一番ダメージを受けたのは?
6、訪問診療メインの歯科医院
施設への訪問がNGになると仕事は出来ませんので、当然の結果かと思います。
Q,一番ダメージを受けなかったのは?
4、矯正専門の歯科医院
マスク生活になったことで元からあった需要に拍車がかかり、何ヶ月待ちとなる医院も多くありました。
1、2、3、5のカテゴリの歯科医院に関しては、
ノンダメージの医院と劇的なダメージを受けた医院とで両極端になっている感じを受けます。
患者さまが医院の何を見ているかによる部分が大きいですが、基本的に汚い医院には行かないですよね。
できれば新しい医院へ行きたいと思うものです。
あとは、患者さま側の”医院検索能力”がより上がったことで、医院側が厳しくジャッジされる立場になった。
クリニックのHPをはじめ、医院の良し悪しを検索するツールは色々とあります。
以前より検索能力を駆使して、自分が通いたい歯科医院を品定めしている。
それが、コロナの前と現在とで変化した部分ではないかなと感じます。
しっかりした治療を提供している歯科医院
感染対策を徹底している歯科医院(ディスポーザブル等も含めて)
テクニカルと経営のバランスが取れている歯科医院
上記のような色を持った歯科医院さまは減収の逆、増収傾向となっています。
【適切な歯科医療の提供を軸とし、世の中の動きに敏感に適応できる医院】
一言でまとめると、そういった医院が影響を受けずに、逆に追い風を受けたと感じています。
話をデンタルショーに戻します。
今回の展示では、治療のための器材ではなく、患者さまを確保するためのシステムを提供しているブースが盛況だったと個人的に感じました。
予約管理システム・待合室啓蒙ツールがそれにあたります。
器材に関しては、ある程度出切った感があります。
3種の神器として【CAD/CAMシステム・CT・マイクロスコープ】が挙げられたのは、ひと昔前。
ここ最近のトレンドは、【光学スキャナー】になりますかね。
特にマウスピース矯正の市場拡大により、光学スキャナーの導入が増加してる部分があるかと思います。
新型コロナの流行の影響があり、時代は診療用器材への投資と併せて、患者管理をどうするかという考えがかなり浸透してきているように思います。
予約管理システム
以前から既にあるものではありますが、ここ数年でかなりの歯科医院様で導入されてきています。
以前は、ネットで予約ができることを前面に出す立ち位置がかなり強くあったと感じていますが、最近では患者ごとに来院管理出来るという面が導入した際の大きなメリットとなっています。
患者個別ごとに来院情報を管理できることで、状況に応じて様々な対応が可能になります。
特に大きな魅力としては、リマインド機能です。
任意のカテゴリごとにリマインドを的確に行えることで、目に見えずドロップしてしまう患者さんを見逃さずに極力拾い上げることが可能になります。医院経営をしていく上で患者のドロップはマイナスでしかないので、そういった意味では、システムを運用してカバーできるというのは非常に大きな強みになると感じます。
待合室啓蒙
こちらも以前から販売されていますが、ここ数年拡がりの速度が上がっているツールです。
予防メンテの啓蒙をはじめとして、様々なコンテンツの組み合わせで啓蒙を行うことが可能であり、医院によっては補綴コンサルの前段階として活用しているところもありますね。
またもう一つの強みとしては、医療広告ガイドラインの関係でキャンペーンを外部に打ち出すことができなくなりましたが、そこの部分を待合室啓蒙で来院患者にお知らせできるという強みも持ち合わせています。
インフォメーションも組み合わせたりすることで様々な活用ができ、スタッフによる患者啓蒙の時間短縮にも貢献出来るシステムとして、非常に効果が高いものだと感じます。
今回2日間会場にいて各ブースを見て回りましたが、器材よりも上記のような”仕組み”をじっくりと見ていた先生方が多かったように思います。患者さま一人ひとりをしっかりとファン化するということが、医療提供は勿論のこと、経営面でも重要なことだという認識が拡充している証だと思います。
仕組みなしでもしっかりファン化を図り、ロスのない経営・医療提供をされている医院も多くあるかと思いますが、武器として上記のようなシステム(ツール)を活用することでプラスになる部分があり、マイナスを最低限に抑える効果が期待できるのだと思います。
以上、今回は情報として日本デンタルショーに足を運んでの私見を書かせて頂きました。
様々な見方がありますので、個人的見解ということをご了承ください。
「たかが数値。されど数値。」
医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢