レセプト平均点 #低ければ算定漏れが多く 高ければ点数取りすぎ?
今回はレセプト平均点について書いてみたいと思います。
歯科医院経営を行う上で、欠かせない判断項目のひとつであるレセプト平均点。
皆さんはどういった見方をしていますか?
先生方に話を聞くと、ほぼ誤差なく答えられるのがレセプト平均点だと思います。
自院の経営を見るときに、レセプト枚数とレセプト平均点を大きな指標としているかがわかります。
では、なぜ大きな指標となるのか?
それは高点数になって指導対象に入りたくないという意識が、先生方の大半がお持ちだというところも関係しているのだと考えられます。歯科の場合は、地域平均点の1.2倍以上は集団指導の対象範囲とされています。指導はストレスでしかないので、そこにかからないように普段の診療を行い、平均点を意識しているということになりますね。
Q, 先生のクリニックの状態はどんな感じですか?
A,「うちはレセ枚が約400枚で平均点が大体1,200点だから、480,000点/月ぐらいだね」
といった会話になるわけですね。
細かい部分(数値)は把握してなくても、ほとんどの先生が把握しているのがレセプト平均点ということになります。
では、ここから本題です。
Q, レセプト平均点はどういったものでしょうか?
A, ??? 1人あたりの平均点でしょ!
正解です。
Q, では、平均点はどういう見方で分析しますか?
A, ・・・
この質問だとちょっと考えてしまう先生もいるのではないでしょうか?
まず最初に、レセプト平均点は”結果論”ということ。
500,000点でレセ枚が400枚だと、
500,000÷400=1,250点 となります。
600,000点でレセ枚が380枚だと、
600,000÷450=1,579点 となります。
何を言いたいかいうと、「平均点1,300を目指そう! エイエイオー!!」
という感じで、戦略は組めない、平均点をビルディングすることは出来ないということです。
1,300点を目指すために具体的に何をしますか?
医院の細かい数値を知っていないと、目指すことができない。
これが答えで、平均点の面白くもあり難しくもあるところです。
他の関連する項目の数値を知らずして、平均点を語り、改善することは不可能なんですね。
例えば、レセ枚数 500枚で 保険点数 500,000点のケース
平均点は、1,000点となります。
どう考えますか?
・平均点が低いから算定漏れがあるはずだ! 取れる点数をしっかり取るようにしよう!
・補綴が少ないかもしれないな〜?
他にも色々考え方はありますが、パッと思いつくのは上記のような感じではないでしょうか?
ですが、考え方としては正解とは言えません。
平均点に関連する項目はなにか?
母数・総来院数・メンテ患者数・治療患者数・補綴スタイル・施設基準...
ざっと挙げても上記のような項目があります。
意外と見落としがちなのが、総来院数と母数のバランスです。
平均点とは1人あたりの点数なわけですが、その基になっているのは1回あたり点数です。
レセ枚に対して総来院数が多ければ、1人あたりの通院回数が多いということですので、点数は積み上がります。
逆に、レセ枚に対して総来院数が少なければ、1人あたりの通院回数が少ないということですので、点数の積み上がりにはばらつきが出るため、均すと平均点は低くなります。
平均点が低い場合
「きっと算定漏れがあるはずだ! 」
見立て違いとはこういうことを言うのだとと思います。
言うならば、木を見て森を見ず状態ですね。
このケースですと、レせ枚に対して総来院数が少ないというパターンが考えられます。
母数がキャパに対して多すぎて、月に通える回数が限定されてるケースです。
その場合、1回しか通えない患者さんは平均点の上昇に貢献できないということになります。
平均点が高い場合
「安易に点数を取りすぎだろうから、算定できるけど辞めておこうかな。。」
となってるケースも多く見られます。
このケースは、レせ枚に対して、総来院数が多いケースに見られます。
要は、母数が少ないので月に何回も来院できてしまう。ということですね。
もちろん、訪問診療をしている。高齢者が多く補綴治療が多い。
となると、当たり前に平均点は上がる傾向となります。
ただ、これは原因がわかっていることなので、それを薄めるためにどうするかという判断はすぐにつきます。
弊社のお客様のデータを見ると、1回あたりの診療単価に大きな差はありません。
平均点の差異が出るのはレせ枚と総来院数のバランス。
要は1回あたり点数からの積み上げです。
平均点という言葉が、歯科医院経営を行う上でスタンダードな指標となっているのはOKとして、
平均点を上げる・下がるためには、関連する項目や医院のキャパ(ユニット台数・スタッフ数・診療日数等)をしっかりと分析した上で、最適解を導き出すということが大事になってきます。
高いから、点数算定を低くする
低いから、点数を算定できるようにあれこれ策を考える
これは、短絡的でナンセンスであるということはお解り頂けたかと思います。
様々な要素(項目)が数値的にどういう状況かを分析した上で、上げ下げを考える。
上げ下げに有効な施策を打つ。施策を打って顧みて改善点があれば修正する。
そういった行動が大事になってきます。
そういった意味で非常に奥が深い”平均点”。
いろんな角度から、自院の平均点を考えてみるのも良いのではないでしょうか。
「たかが数値。されど数値。」
医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢