来院区分ごとのキャンセル・急患対策
前回のコラムでは、キャンセル率の考え方について書かせて頂きました。
今回は、キャンセルや急患の来院区分ごとの対策について書き進めていきたいと思います。
キャンセルは、医院経営の観点からすると”マイナス”の要素
急患は、医院経営の観点からすると”プラス”の要素
上記については、ご理解頂けていると思います。
キャンセルは少ないに越したことはありませんよね。
では急患は?
これについては前回も触れましたが、少ない方が診療の流れはスムースに維持できるけれども、キャンセルが多いクリニックであれば、ある程度の急患はプラスの要素となるため除外は出来ない! ということになります。
究極は、「キャンセル0急患0」ですよね?
ですが、これは現実的には99.9%達成し得ないものです。
クリニックの現在状況や未来像からキャンセルと急患のバランスを考えていくことが重要です。
本題に入ります。
ここでいう来院区分とは、新患・再診・再初診・メンテ患者という区別になります。
まずはキャンセルについて〜
Q,「新患のキャンセル・メンテのキャンセル」が顕著だとします。
これらを改善するのにどちらを選択しますか?
①ホームページに掲載してキャンセルを防ぐ
②院内に掲示物(診察券へ記載・リーフレット作成等)を作って啓蒙する
A,新患については①、メンテについては②となります。
*掲示物としましたが、基本的には担当するスタッフが関係性を構築し、キャンセルについて理解を仰ぐのがベストではあります。
ここで、どちらについても1と頭に浮かんだ場合は、戦略の考え方を見直さなければなりません。
ホームページは、基本的に新患予備軍に向けて集客のために発信しているものです。
なので、新患に対してキャンセルのアナウンスをするのはマストな戦略となります。
ですが、すでに既存患者であるメンテ患者はホームページを閲覧することは稀です。
そこにキャンセルのアナウンスをかけても。。。 答えはわかりますね。
続いて急患について〜
Q、「再診の急患・再初診の急患」数が顕著だとします。
これらを改善するのにどうすればいいですか?
*前提として、予約制(将来的には完全予約制)で急患を減少させていく方向で考えているクリニックとして考えてみてください。
これについては、様々な考え方や答えがあると思います。
考えられるのは、以下のような取り組みがあります。
再診急患については、予約制であることを周知する
リマインドの取り組みを行い予約日の来院を徹底する
再初診急患については、痛みを伴うケースが想定されるので取り入れる。
完全予約性へ移行する前提として、受け入れない。(医療という観点ではNG)
→解決策の一番は、本来の歯科治療スキルを見直す必要性があるかもしれません。
<結論>
キャンセル・急患ともに、一括りで改善策を考えるのはナンセンスです。
来院区分ごとに細分化して考えることで、よりマストな戦略を組むことが可能になります。
区分ごとに数値を出して診断し取り組みを行うことで、成果が出ることになります。
各区分の数値バランスを見て、戦略を策定していきましょう。
「たかが数値。されど数値。」
医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢