コラムColumn

2020.10.30開業支援

歯科医院開業の心得 Capter1

今回は、開業支援の分野でコラムを書いていきたいと思います。
開業までの道のりの中には様々な要素・項目がありますので、章分けしてお伝えしていきたいと思います。


今日はCapter1として、開業を視野に入れた時点から「進めること。始めること。」についてお話します。



1、やりたい治療の明確化
2、通帳への定期的な預金
3、クリニックの開業年月日の確定
4、診療理念・スタッフに対しての理念の策定
5、打ち合わせ時の領収書のストック・整理
6、土地の大枠選定


今日はこの6つです。
「あれ?器材が入ってないんじゃない!?」 と思われた先生はいらっしゃいますか?

そうです。
器材はまだ入っていません。
というより、今の段階では詳細な器材選定は必要ありません。

歯科医院を開業するうえでまず始めなければいけないのは上記の6つです。
細かく言えばもっと数はあるのですが、大枠で捉えて頂ければと思います。

1、やりたい治療の明確化
開業医として独立するのであれば、包括的に治療が出来ることが大前提となります。
ただ、その中でもご自身が得意な治療・好きな治療があると思います。
歯科医院を経営していく上で重要なことは、包括的+軸となる治療を確立することです。
土地の選定や器材選定・スタッフ雇用の質基準など、様々な要素が絡み合う中で、やりたい(力を入れたい)治療が明確になることで、それぞれの要素についてもある程度焦点を定めることが可能になります。

テンションがあがる治療はなんですか?

2、通帳への定期的な預金
これは思い立った時から初めて頂きたいと思います。
理由は2つあります。

1つ目は、開業資金としてお金を貯める必要性があるため。
2つ目は、融資交渉の際に見られる重要項目であるため。

お金を借りずに開業される先生は極々稀です。
親御さんが何かしらの事業をしていて、お金を融通してくれるケース以外は皆無だと思います。
90%以上の先生はご自身で銀行からお金の融資を頂いて開業する道のりとなります。
事業計画書などで利率や年数等、メリットのある方向で持っていくこともある程度可能ですが、重要なのは、その事業のために先生ご自身がどれだけの本気度で向かい合ってきたか。

銀行はここを重視して見ることが多いんです。
銀行は貸したいのは間違いありませんが、多額の融資を受けるのは簡単なことではない。
そこは肝に命じておいていただければと思います。

毎月いくらであれば貯めることが出来ますか?
毎月しっかり貯めることが出来ますか?


3、クリニックの開業年月日の確定
「2年後ぐらいに開業しようかな〜。。。」
「来年の秋ぐらいには!!!」

この考え方はやめましょう^^;
○年○月○日に開業する!!! 
年月日を確定することが大事です。

確定させることで、意気込みと前に進む意識が変わります。
開業までは、最短でも1年はかかるものです。(土地開業・テナント開業で差異はあります)
開業日を決めて物事を進めていくことで、スピード感があがり、考えるべき項目にも真摯に取り組むことが出来るよになります。準備の流れに合わせて開業ではなく、開業の日に合わせて準備を行う。非常に重要です。

○年○月○日に、先生は開業しますか?

4、診療理念・スタッフに対しての理念の策定
開業を思い立ち、考えるべき第一はこの項目になります。
歯科は医療です。ですが事業として経営をしていかなければなりません。

その時に理念がないとどうなるか?

理念とは、先生をトップ(社長)として、スタッフ(社員)全員が共有するべき意識のことを言います。
理念がないと、チームとしてバラバラになり、いきたい方向、向かいたい方向が定まらないため、成長が鈍化します。鈍化ならまだいいですが、最悪の場合は空中分解して閉院(倒産)ということにもなり得ます。


患者さんへの理念は? スタッフに対しての理念(想い)は?
ここは自分の腹に落ちるまでしっかり考えることをお勧めします。
開業後に多くの先生が陥るのがスタッフとの関係性の問題です。
スタッフに対して愛のある想いがあれば、そのリスクは大幅に軽減させることが出来ます。

外向きの理念はなんですか?内向きの理念はなんですか?

5、打ち合わせ時の領収書のストック・整理
開業を考え始めると、いろんな方に相談される機会が増えてきます。
歯科医師の先輩・歯科ディーラーさん・メーカーさん・etc...
その際に使用したお食事代の領収書は整理してストックしておいてください。

理由は、開業の経費になるからです。
重要なのは、誰となんの打ち合わせをしたか。
それが記載されていないと経費としては認められません。

ですが!経費になるからといって何でもかんでも経費扱いにするのは問題です。
本当にそれが経費なのか?そこはしっかりと判断してください。
経費というは、利益が出て初めて有効化する費用です。

開業して黒字化した際に経費として算入できるものなので、今からしっかりと管理をしていきましょう。

誰と何の相談をしましたか?

6、土地の大枠選定
最後は土地です。
土地は、開業したら基本的には最後まで同じその場所で診療を行うことになります。
やりたい治療・得意な治療・スタッフ雇用の優位性・人口増減・収入分布など、土地の特性を見極める項目は沢山あります。あとは、先生ご自身のライフプランも紐付きますね!お子さんの教育や教育方針、閉院後のライフスタイルなど、今考えられる要素を元に土地の選定をする必要性があります。

また良い土地であっても、近隣の歯科医院の数、質、年齢なども考慮すべき点です。
先生が長い年月に渡り、医療を提供する場所。
様々な観点で地域を絞り込んで欲しいと思います。

また、塾考した上で良い土地があったなら、土地の真ん中に立ってみてください。

テンションがあがりますか?

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今日は Capter1として、最初に考えることについて書かせて頂きました。
開業は誰でも出来ますが、継続維持・発展は誰でも出来るわけではありません。
人口減少を煽る記事をよく見かけますが、歯科の受療率は間違いなく上がると思っています。
※よって、人口減少=歯科業態の衰退とは自分は見ていません。

そうなると、何が起こるか?

患者さんの歯科医院検索能力があがり、選ばれる医院・振り落とされる医院として二極化する。
業態的には非常に良くなるが、競争は激化するということです。
患者さんに選ばれる医院になり、安定期にはある程度医院主導で診療を進められるようになるためには、考えること、やるべきことは山ほどあります。

まずは! 一歩前に足を踏み出しましょう!

次回は、Capter2として、図面の考え方について書きたいと思います。


「たかが数値。されど数値。」

医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢

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