人材採用のために Capter2 ”医院見学・面接”
今回は、前回からの流れで人材採用について書きたいと思います。
前回は、応募したくなる条件として時代背景も考慮しての必要条件等について書かせて頂きました。
今回は、クリニックの提示している条件を見て応募があった際のクリニック側の対応について書きたいと思います。
こんな経験はありませんか?
1、応募があり、喜んだのは束の間。。
いざ面接したら、すぐに辞めそうな雰囲気が感じられた。それでも採用するべきか。。。
2、応募があり、この人だ!いう気持ちにはならなかったが、人不足のため強行採用。
1週間も持たずに退職した。
3、応募があり、スキルも経験も意識も高く素晴らしい人材!
即採用したが、中のスタッフと衝突し職場の雰囲気が悪くなり、以前からいるスタッフが退職した。。
あるあるレベルでよくある内容だと思います。
人の採用は非常に難しいですよね。
これは歯科業界だけではなくどの業界でも言われることで、面接の短い時間だけでその人の性分を見抜くのは至難の技なわけですね。
クリニックに合う人材、欲しい人材はどういう人か?
どういう人材が欲しいのか?
「テクニカル?知識?経験?意識?行動力?」
何よりも重要なのは、ヒューマンスキルではないでしょうか?
テクニカルや知識・経験は人間力があれば後から伸ばしていくことが出来ます。
仮に今、このコラムを読んで頂いていて、こう思った方はいませんか?
「そんなのわかってる!とにかく人材不足で大変なんだ!」
これもあるある。ですよね?
そもそも、人材不足になるには何かしらの理由があるわけです。
もっと言えばなんで人材不足になるのかを考えなければなりませんね。
1、患者の増加スパンと雇用必要時期のバランスが読めていない
2、クリニックの評判(医療従事者向け)が良くなく、スタッフ(人)が定着していない
3、余りあり雇用をする金銭的体力がなく、いつもギリギリのパワーで診療を行っている
思い当たる節はありませんか?
求人を出せば人がくる時代はとうに終わりを迎えています。
良い人材は、良いクリニックに自然と流れるものです。
募集しても応募がない場合は、勤めたいクリニックの篩から落ちてしまっている可能性があります。
その場合は、根本的にクリニックの考え方を変え、福利厚生等や理念等をしっかりと再考する必要があります。
例えばですが、テクニカルに優れ経験も豊富なDHから応募があったとします。
「よし!これでうちのクリニックもどんどんメンテが伸びるぞ〜!」
と、簡単に考えてはいけません。
エースで4番はいいですが、今いるスタッフを追い抜いて人間関係が崩れる可能性もあります。
崩れることで、なにが起こるか?
”職場内でボトルネックが発生→生産性が減少→空気が悪く患者が減少→スタッフが退職・・”
また1から、もっと言えば0からの雇用もあり得ますね。。
本題に入ります。
採用までのフローとして以下をお勧めします。
1、見学で自院を全て知ってもらう(流れ・雰囲気・在籍スタッフの人柄 等)
クリニックで一番朗らかなスタッフを対応係とする。
緊張をほぐさないと本来の人柄は見えません。そのためには、緊張感を与えず相手の魅力を引き出すことができるスタッフが対応係として接するのが望ましいです。(職種は問いません)
時間はお昼を挟んで半日程度が望ましいです。
2、その人に求めること(業務内容だけではなく、貢献して欲しい事柄を伝えるの大事)
クリニックに入ってどんな仕事をするのか? 言い方は悪いですがそれは当たり前なのでどうでもいいです。
その方に何を求めているのか!それを伝えて上げることが重要だと考えます。
DHであれば、
あなたには衛生士業務全般をやってもらいます。
🔻
患者さんが喜んで通ってくれるように接してくれることを期待しています。
受付であれば、
受付・電話応対・会計・アポイント・レセプト業務をやってもらいます。
🔻
患者さんがホッとするような対応を期待しています。
院長が何を求めているのかがわかれば、その方の考えに軸ができます。
その軸を柱として、業務を覚えていけばブレることはありません。
3、面接は見学をクリアーした方のみで十分(応募者にも考えがあります)
見学を終えた段階、もっというと見学中の段階で後悔する応募者もいらっしゃいます。
なので、自動的に見学から面接という流れは避けて頂きたいと思います。
応募者にも選ぶ権利がありますので。
※医療の厳しいところ、難しいところは最初に見せることがメリットとなります。
勤めてから、「こんなに忙しいんですか。。 辞めます。」 良くあることです。
面接と見学はセットではありません。
1次・2次という位置付けで考えることが重要だと思います。
可能であればスタッフとのランチをしましょう!。
(お互いに人間性を知ることが大事)
なぜなら、人が辞める原因の多くは”人間関係”だから。
人不足だからといって、誰でもいいから雇用するのは絶対NGです!
「人の流入は、人の定着を壊すことがある」
ということを忘れてはいけません。
定着しているところにさらに人が流入してまた定着することで組織として強くなっていきます。
なので、今頑張ってくれているスタッフとのバランスを見て採用することが大事。
テクニカルやスキルが多少劣っていても、全体的な生産性という意味では大きいことではないです。
チームとして、生産性をあげる。医療に貢献する。患者さんと接する。
これが大事だと考えます。
「見学で応募者のイメージとのマッチングを図り
ランチで定着可能かどうかを見極め
面接でその人へ期待すること、貢献して欲しい具体例を示し
それらが合致したら採用!」
これがスタッフ雇用のポイントであると考えます。
※最後になりますが、人材採用については様々な考え方があります。
考え方の一つとして読んでいただければ幸いです。
今回は様々なクリニック様とお付き合いしてきて感じたことを書かせて頂いてますのでご了承ください。
「たかが数値。されど数値。」
医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢