医院ブランディングの本質 #スタッフに落とし込めていますか?
今回は、医院ブランディングについてお話していこうと思います。
ブランディングとは、“価値の向上と他医院との差別化”のことを指します。
院長に質問です。
「先生の医院におけるブランディングとはなんですか?」
インプラント!
歯列矯正!
予防歯科!
上記のように治療コンテンツでお答えになった先生が多いのではないでしょうか?
他医院との差別化の観点で言えば、他よりも優れている治療コンテンツでブランディングを立てるというのは真っ当なことですし、それが患者さんを呼ぶトリガーとなるのは間違いありません。
スタッフさんに同じ質問です。
「あなたの勤めている歯科医院のブランディングとはなんですか?」
???
・・・
?マークになるスタッフさんも多くいらっしゃるのでないでしょうか?
差別化がわかりやすい治療コンテンツですと、スタッフさんもパッと答えられるケースが多いと思います。
ただ、医院としての在り方については、共通理解できていない医院様も多い様に思います。
今回、ブランディングというテーマで書いていますが、ここでお伝えしたいのは、自院がどういうクリニックで在りたいかということです。
ブランディング=治療コンテンツ
ではありません。
ブランディング=治療コンテンツ+医院の目指す医療提供のスタイル+α
適切な言葉ではないかもしれませんが、医院として患者さんとどう向き合うか。
そこが一番重要だと考えます。
例えばですが、院長の得意分野として、インプラント治療があるとします。
スタッフもそれを理解し、自院のブランディングはインプラントであると認識したとします。
ただ、もう一つ院長の頭の中には、患者さんの要望ありきで提供したいという考えがあったとします。
スタッフとしては、インプラント治療が売りなので何とかインプラント治療をお勧めしようと奮闘します。
医院のことを考え理解している素晴らしいスタッフさんだと思います。
ですが、ライフステージやライフスタイル、患者さんの要望を度外視して、もしそれを行い続けたらどうなるか?
「あそこの歯医者に行くと、なんでもかんでもインプラントって言われるよ!」
マイナスの口コミが派生してしまい、強みであるインプラント治療が足枷となり、逆に患者が遠のいてしまう弱みとなる可能性があります。
院長が強みと思う治療をお勧めしているわけなので、スタッフさんに非はありません。
院長のスタイルや考えを落とし込めていれば、こんなことにはならないわけです。
インプラントを軸とする医院ではあるが、患者さんを取り巻く要素により義歯・Brも選択肢として、適切に進めていこう!
それをスタッフさんに落とし込むことが重要で、何でもかんでもインプラントではないということをコピペして共有することが大切です。
次によく見かけるのが、外向きの発信をスタッフが理解・共有していないケースです。
院長的には、自由診療で良い診療を推し進めていきたいと思い、マーケティング戦略を組みます。
業者との打ち合わせをしっかりと行い、外向きの発信は準備万端整えたとします。
スタッフさんには、「ホームページ新しくしたから見ておいて〜!」
と、投げます。
スタッフさんは、どこの部分が何の部分が新しくなったかわからずに、流し読みをして終わります。
外向きに素晴らしい内容を発信していても、医院全体でそれを理解していなければ、単純にコストの無駄使いとなります。
コスト以前に、その発信を見て来院された患者さんの高い期待値に対する満足度を得ることが出来ずに、これもまた逆に失望からの弱みとなってしまいます。
お金をかけてマーケティング戦略を走らせるのはまあ良いとして、問題はそれと並行して中(共通理解)を整えなけば何の意味も持ちません。
ホームページに載せている内容は、全員が当たり前に共有していることが大前提です。
自由診療の価格や施術時間・リスク等も、患者さんに聞かれて困っているようではいけないですよね。
その段階で患者さんは大きな不信感を持つことになります。
ブランディングとは少し話がずれましたが、要は全員が同じ情報を同じ温度感で共有することが大事なこととなります。
スタッフさんのご家族やご友人が医院に治療に来ているかも医院評価として大事な部分となります。
今回のテーマであるブランディングとは少しズレますが、医院としての評価は、一番身近なスタッフがジャッジしているということを忘れてはいけません。
どんなに壮大な夢を語っても、完璧な仕組みを作っても、感染予防対策や治療レベル等が納得のいかないレベルであれば、一番身近なスタッフに評価はされません。
評価は、一番身近なスタッフさんが一番わかります。
ブランディングで外向きの発信をする前に、自院がどのレベルにあるのか把握理解し、改善点があればそれを修正していくことが経営安定化の近道です。
集患の本質は外向きではなく、内向きありきです。
「口腔内の状態を可視化し、適切なマテリアルをご提案」
「口腔管理から、長きに渡り良好な口腔内の維持に尽力」
「幼少期からの歯列矯正で、お子さまの明るい未来に寄り添う」
「歯が無くなったら、ライフステージ等も加味して適切な欠損補綴をご提供」
上記が治療コンテンツ+αの一例です。
中をしっかり整えて、スタッフさんが理解すること。
自信を持って周り(ご家族・ご友人)にお勧めできる歯科医院。
それが出来て初めて、医院ブランディングとして成立し、真のブランディングとなるのではないでしょうか?
「たかが数値。されど数値。」
医院の今から未来をつくる。
歯科医院発展応援団 吉澤 貢